日本と中国の決定的な違い

【つきじい】ところが清国ではうまくいかなかった。

【小太郎】清国には皇帝がいたのに、どうしてですか?

【つきじい】清国の皇帝は、中国人ではない。

【小太郎】ええっ?

茂木誠、大久保ヤマト『バトルマンガで歴史が超わかる本』(飛鳥新社)
茂木誠、大久保ヤマト『バトルマンガで歴史が超わかる本』(飛鳥新社)

【つきじい】あれは満州人といってな。モンゴルの東の森林地帯に住んでいた狩猟民族じゃ。昔の金王朝を建てた女真族の子孫じゃ。

【つきじい】外国人の皇帝のために、一致団結して戦おうという気になれるだろうか?

【小太郎】それは……無理だと思います。

【つきじい】だから中国では「国民意識」が生まれにくかった。国がデカすぎるし、方言が多く言葉が通じない。

【小太郎】それは困った……。

【つきじい】だから清国は戦争のとき、中国人の傭兵を集めて戦った。給料払うから戦ってくれ、というわけじゃ。ナポレオン戦争の時のプロイセン軍と同じじゃ。

【小太郎】思い出した! 傭兵は、国民軍に勝てない!

【つきじい】その通り。清国の傭兵と日本の国民軍が戦ったら?

【小太郎】日本が勝ちます!

【つきじい】それが、日清戦争じゃ。

【関連記事】
【第1回】なぜ巨大国家・帝政ロシアは日本に戦争で負けたのか…日露戦争が「日本勝利」で無事に終わったワケ
「床上手」とはどういう意味か…江戸時代の遊廓で女性たちが体現していた「色好み」
軍隊を食わせるだけで1日225万円…極めてコスパが悪い「城攻め」で豊臣秀吉が使った"意外すぎる戦略"
だから徳川幕府は15代も続いた…徳川家康が「病弱で愚鈍な家光」を3代将軍に指名した納得の理由
ヒラでも月給100万円…池田屋事件で月給3倍になった新選組の土方歳三と近藤勇の驚くべき実年収