1945年8月18日、千島列島東端の占守島で帰国を待ち侘びる日本軍を突如ソ連軍が襲った。ソ連軍に降伏するか、戦って死ぬか。究極の2択に対して、男たちは戦うことを選んだ。『弱肉強食の現代史18バトル』(KADOKAWA)より紹介する——。(第3回)

樺太の南半分、千島の全部は日本領

【小太郎】あ、北海道だ!

※3ページ目の地図参照

【つきじい】今とは国境線が違うのがわかるかな?

【小太郎】千島列島が日本領になってますね。一番北の占守島まで。

【つきじい】明治時代のはじめにロシア帝国がこう言ってきたのじゃ。「樺太全部よこせ。日本には千島を全部くれてやる」

【小太郎】なんか不公平な気が……

【つきじい】日本はロシアと戦っても勝ち目がなかったので、これを受け入れた。このとき結んだ樺太千島交換条約で、占守島まで全千島が日本領となった。

【小太郎】あれ、でも樺太が半分に分かれてますね? 南が日本領?

【つきじい】半世紀後、日露戦争で勝った日本が、ロシア帝国から奪ったのじゃ。

【小太郎】樺太は南半分、千島は全部が日本領。わかりました。

【つきじい】負けたロシアで革命が起こって、共産党が権力をにぎった。この結果、国名が変わって「ソビエト連邦」になったんじゃ。略して「ソ連」という。

【小太郎】うちのおじいちゃんがロシアのこと、ときどき「ソ連」って言います。

【つきじい】そのあと日本軍が満洲を占領した。

【小太郎】満洲事変ですね。

【つきじい】その結果、満洲の日本軍とシベリアのソ連軍は睨み合うようになった。

【小太郎】うんうん。

【つきじい】同じころ、ドイツでは共産党嫌いのヒトラーが権力を握り、ソ連との戦争を計画した。

【小太郎】ソ連から見れば、日本も敵、ドイツも敵。

【つきじい】そのドイツと日本が、軍事同盟を結んだ。日独伊三国同盟じゃ。

【小太郎】あ、ソ連ヤバくなった…。…