新年度が始まり、新しい仕事に取り組む人も多いだろう。仕事の上達が早い人は何が違うのか。多くのビジネスパーソンを急成長させてきた識学の安藤広大社長は「成長が早い人は、仕事のどこを変えれば成果につながるのかをつかむセンスが優れている」という――。

※本稿は、安藤広大『数値化の鬼 「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

歩道橋を歩く3人の背中
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「思うように売れない」ときは頑張り方を変える

ある商品を開発しました。とても売れる自信があります。

しかし、目立つところに置いても売れませんでした。値下げしても売れません。デモンストレーションをしても売れません。

わかりやすく説明するPOPを置いたところ、売上がやや微増しました。

店内で軽くヒアリングすると、「パッと見でメリットがわからない」「難しいイメージだ」という反応がありました。

そこで、思い切って、ネーミングを変えてみたら、飛ぶように売れるようになったのです。つまり、この商品にとって、商品の名前が「変数」だったのです。このように、試行錯誤をして、頑張り方を変える方法を紹介しましょう。

「仕事のどこを変えればいいのか」これを考えるのが、いわば仕事の醍醐味です。思いつくままにテコ入れするのではなく、1つにフォーカスし、問題を解決する。それは、個人でも組織でも同じです。

そのためには、目の前で起こっていることの裏側にある「数字」を見つけなくてはなりません。結果を裏付ける数字があるはずです。

違和感をそのままにせず、数字を見つけ出すこと。その技術を身につけましょう。

ビジネスにおいて、すべての物事はいったん数字に置き換えられます。ただし、そのすべてを考えるべきかというとそうではありません。

「考えるべきこと」と「考えてもムダなこと」に分かれます。それを見分けるために必要な概念が、本記事のキーワードである「変数」なのです。

2つの「頭の悪さ」

世の中には、2つの頭の悪さがあります。1つは、「すべて自分の思いどおりになる」と思っていることです。もう1つは、「自分の力では何をやっても思いどおりにならない」と思っていることです。

どちらも間違っています。

正しくは、世の中には「変えられること」と「変えられないこと」があるということです。

そして、多くのビジネスパーソンは、次の2つのパターンで苦しんでいます。

・「変えられないこと」を変えようとする人
・「変えられること」を変えられないと思い込んでいる人

本来なら、「変えられること」を変えようと努力し、「変えられないこと」は早々に見切りをつけることが大事です。