会話を盛り上げるためにはどうすればいいか。銀座の高級クラブ「クラブ由美」のオーナー・伊藤由美さんは「会話中のリアクションを上手く使うことで、会話を盛り上げることができる。相手が一番言いたいことを話したときに深くうなずくことで、言葉で伝えるよりも『話を理解している』ということが伝わる」という――。(第1回/全3回)

※本稿は、伊藤由美『銀座のママが教えてくれる「会話上手」になれる本』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。

バーで飲む女性
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身体のリアクションだけでも意図は伝わる

外国人、とくに欧米人の方とお話しするときにいつも思うのは、みなさん表現力がとても豊かだということ。驚いたら大きく目を見張ってのけぞり、納得すれば深く大きくうなずき、恥ずかしければ手で顔を覆い、主張したいことがあれば手を大きく広げてアピールする――。

会話のトーンもそうなのですが、やはり日本人と大きく違うのは、会話に常に「身振り手振り」やジェスチャーが伴っている点です。歴史のなかで異なる民族との接触が多い民族ほど、ジェスチャーによるコミュニケーションが多いと聞いたことがあります。言葉が通じないから身振り手振りで意思疎通を図るしかなかったということでしょう。

日本人が会話のなかで身振り手振りをあまりしないのは、シャイな国民性に加えて、島国で異民族との接触が極端に少なかったという民族的な理由があるのかもしれません。事の真偽はともかくとして、他者と深くコミュニケーションを取るには、言葉だけより「身体」での表現が伴うほうがより効果的なのは間違いないでしょう。その分、こちらの意図を伝えるための情報が増えるのですから。

身体は口ほどに会話する、ということ。相手の話に対して、言葉だけでなく身体でも反応する。ときには、言葉がなくても、身体のリアクションだけでこちらの意図がしっかり伝わることもあります。