たかがあいづち、されどあいづち。相手の話をちゃんと聞いていることを伝えることは、話を盛り上げるために必須だ。スピーチコンサルタントの西任暁子さんは「『ええ』『はい』『そうですか』などパターン化された言葉だけでなく、相手の話を肯定したいとき、興味があることを表したいとき、同意できないときなど、もっとバリエーションを増やすといいです」という――。

※本稿は、西任暁子『話すより10倍ラク!新 聞く会話術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです

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写真=iStock.com/PrathanChorruangsak
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あいづちのバリエーションを増やす

今回のテーマは、話を盛り上げる聞き方です。

まずはちゃんと話を聞くこと。そして、ちゃんと聞いていることを相手にわかるように伝えることです。聞いているあなたの心を、外から見ることはできません。だから「ちゃんと聞いているよ」ということを、まわりの人にわかる形で表現したいのです。

ラジオDJになって2年が過ぎた頃、先輩がこんなアドバイスをくれました。

「リスナーさんからもらったメッセージを紹介するときのトーンが、ちょっと暗いね。真剣なんだと思うけど、聞いている人にはわからないから、もっと明るく読むといいよ」

真剣になると暗く聞こえるなんて、想像もしていないことでした。自分としては○○のつもりでも、相手にそう伝わるとは限らないのです。

相手にどう聞こえるかを意識することの大切さを教わってからは、自分の言動を客観的に見るよう心がけました。表情や声、言葉に姿勢といった自分の言動が、相手の目にどう映るかを想像しながら話すようにしたのです。

まずはあいづちのバリエーションを増やしました。

「ええ」「はい」「そうですか」など自分でもワンパターンだなと思っていたので、まわりを観察して真似をすることから始めました。シチュエーション別に見てみましょう。

相手の話を肯定したいときのあいづち

「そうですね」「そのとおりですね」「なるほど」「本当ですね」「私もそう思います」「もっともです」「やっぱり」「まったくです」

「もっともです」「まったくです」なんて言ったことがなかったので、初めて真似をしたときは少し照れくさいものの、大人になったように感じたものです。言い慣れないあいづちも、使ううちに自然に出るようになります。