なぜ職場には「働かないおじさん」がいるのか。ミドルシニア活性化コンサルタントの難波猛さんは「それは職場に『批判はするが行動はしない』という人が多くなった結果だ。見て見ぬふりを続ければ、いずれは自身も『働かないおじさん』になる」という――。

※本稿は、難波猛『「働かないおじさん問題」のトリセツ』(アスコム)の一部を再編集したものです。

携帯電話を確認する中年男性
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「働かないおじさん」が若手社員の夢を奪う…

「自分より高い給料をもらっているのに、それに見合う働きをしていない」

こんな中高年、あなたの職場にもいますよね。「働かないおじさん」と呼ばれる人たちです。

「バブル世代」や40代後半から50代前半の「団塊ジュニア世代」は、多くの企業ではボリュームゾーンになっており、「働かないおじさん問題」は社会的な注目を集めています。

そこで今回は、もし、あなたが「働かないおじさん」の同僚、あるいは部下だった場合、どう接するべきか考えてみたいと思います。

私がマネジメントの現場で感じていることは、「働かないおじさん」本人に対する不満以上に、その状態を放置している経営者や上司の態度への不満や不信が蓄積されているということです。

例えば、「会社が期待していた、若手のホープ」が退職を選ぶ理由を聞くと、以下のような答えが返ってくることが多いです。

「仲良し人事で、上司に気に入られたベテランが偉そうにしている」
「自分の上司は、技術や現場のことを何も分かっていないし勉強もしない」
「そういう上司やベテランを、経営陣も見てみぬふりをしている」
「こんな組織にいると、自分も将来同じようになってしまうことが怖い」
「結果、給与も安定もなくても成長できそうなスタートアップに転職する」

こうした気持ちを、最後に吐き出す若手を見てきました。