本当に仕事のできる人ほど無意識のうちにやっていることがある。世界的コンサルティング企業・マッキンゼーに14年間勤めたコンサルタントの赤羽雄二さんは「見返りを期待せず、いつも種まきをしている。具体的には4つのステップに分解することができる」という――。

※本稿は、赤羽雄二『最強の「独学」仕事術』(宝島社)の一部を再編集したものです。

図書館の本棚から本を選ぶ若者
写真=iStock.com/Zephyr18
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自分で工夫をして意識的にしかけていくことが必要

本当に仕事のできる人は好循環を次々に生み出しています。目の前で素晴らしい好循環を見て、「なるほど、仕事というのはこういうふうにやるのか」と感動し、自分もと頑張るというのが過去の仕事の伝授のしかたでした。

赤羽雄二『最強の「独学」仕事術』(宝島社)
赤羽雄二『最強の「独学」仕事術』(宝島社)

今はそういう見本を目の当たりにする機会が減りましたので、自分で工夫をして意識的にしかけていくことが必要になりました。

「好循環」とは、自分が実現したいことが複数の追い風を受け、より簡単・確実に実行できるようになることです。「好循環を生み出す」とは、自分が打ったいくつかの布石によって好循環を起こし、追い風を吹かせ、ねらいを実現することです。

ここにあるのはただの因果関係ではありません。「いくつかの布石を打っておく」「先手を打つ」「意識的に追い風をつくり出す」。そして、それらの結果によって、さらにもっとよい循環が起きるのです。

好循環は、上司・先輩が何かやってくれるものではなく、自分で種まきをし、しかけていって実現できることです。すぐにではなく、数カ月後、数年後に大きな果実を生みます。

好循環を生み出すステップとしては、次の4つが考えられます。

1 何を実現したいのか、ターゲットを決める(ここが出発点になります。自分がわくわくするようなターゲット、普通ではすぐに手が届かないようなターゲットを設定します。たとえば、「1年以内に本を出す」「配属5年目までにシンガポールオフィス勤務になる」などです)
2 ターゲットの実現を容易にするため、理想的には何が起きるとうれしいかを考える
3 その理想的な状況を起こすためには、何が起きるといいのかを考える
4 それを実現するため、自分に何ができるのかを検討する

直接的メリット、結果を追求するのではなく、2ステップほど離れたところ、つまり2ステップほど手前から考えることがポイントです。

好循環を自分から起こすことができるようになると、仕事が大きく前に進むようになります。精神衛生上も非常にプラスです。自信もみなぎります。