税金の支払額がわかっているか
時間同様、お金も現在のためだけに使うのではなく、何割かは人生の目的や夢を実現するための投資に回すべきだ。「将来のために、時間の予算を決めて投資している」に「あてはまる」人の割合は、年収1500万円以上と500万円台で、本代が12.7%対3.2%、人脈を広げるための交際費が11.8%と1.9%と大きく差が開いている。長年にわたるお金の使い方の違いが、現在の年収差になって表れているといってもいいだろう。「項目ごとの収入と支出だけでなく、税金の種類と額も把握している」人が、年収500万円台では41.2%だが、1500万円以上では55.9%と半数以上いる点も特筆に値する。日本のサラリーマンは自分で確定申告をしないので、自分がいくら税金を支払っているかわかっていない人が多い。それでは本当に有効なお金の使い方はできない。
「未来に向けた具体的な行動がすでに習慣になっている人」は、年収500万円台の17.3%に対し、1500万円以上では33.7%と差がついた。いままで見てきたように、年収1500万円以上の人は500万台の人に比べ、明らかに生産性が上がるような時間やお金の使い方をしているが、それは目の前のことだけでなく、常に未来の自分を意識しているからなのである。
さらに「未来に向けた具体的な行動をした結果、何かを成し遂げた成功体験がある」という項目を見ると「あてはまる」と答えた人の割合が年収500万円台5.5%に対し、1500万円以上では16.7%と約3倍。未来に対する投資は必ず実を結び花が咲くということをわかっているから迷いがない。別の言い方をすれば、現在の自分は5年前の生き方で決まっているといっていい。
ただし、将来役に立つことばかりを選んでやればいいということではない。たとえ雑用のようなことであっても、一生懸命やれば必ず発見がある。そして、そういった体験こそが、5年後、10年後に活きてくるのである。
「若いうちは時間管理より、目の前の仕事をがむしゃらにやることが大事」と答えている人が、年収500万円台の41.5%に対し、1500万円以上では53.9%と過半数を超えた。「雑用でも手を抜かないことで、そのときの経験が将来必ず役に立つと考えている」という質問にいたっては、年収1500万円以上では71.0%もの人がそのとおりと答えている。いま現在の仕事に全力投球しながら、未来の自分への投資も怠らない。大事なのはそのバランスだ。
※すべて雑誌掲載当時