あなたは「期待値」という概念を正しく理解できているだろうか。塾講師の鍵本聡さんは「期待値とは、1回の試行で得られる値の平均値のこと。期待値を使えば、インターネットカフェで『最もお得な料金プラン』を選ぶこともできる。数学的に考える習慣を身につけておけば、長い人生では確実に得をするはずだ」という――。

※本稿は、鍵本聡『世の中は期待値でできている』(MdN)の一部を再編集したものです。

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写真=iStock.com/Zhang Rong
※写真はイメージです

料金表はけっこう複雑

みなさんは、インターネットカフェを利用したことはありますか? 私は、以前よく利用しました。

通称「ネカフェ」には、なんでもあるんですよね。パソコンは使い放題。マンガや雑誌はもちろん、フリードリンクのサービスがついていたり、お店によってはアイスクリームなんかもあって、加えて、シャワーが完備している施設も多くあり、宿泊も可能です。一言でいうと「至れり尽くせり」な場所です。

で、料金はというと……これが、けっこう複雑なことがあります。行かれたことがある方は、みなさんご存じかもしれませんが、基本料金と「○○時間パック」のどちらかを選択する必要があったりします。

ここで、実際にあるネカフェの料金表を【図表1】に載せてみました。座席によって値段も違っていたりして、さらに複雑なシステムのところもありますが、今回は次の設定の料金で考えてみます。

目がクラクラしそうですね。

そこで、これらを1時間あたりの料金にしてみましょう(図表2)。

まあ当たり前のことですが、傾向でいうと、

・長い時間いればいるほど、1時間あたりの値段が安い
・夜間受付したパックのほうが若干値段が高い

というわけですね。

ここまでの話だと、普通に電卓を叩けばどのパックがお得か単純にわかる話ですが、ここからは少し難しいことを考えてみましょう。

「何時間滞在予定なのかわからない場合は、どれを選べばいいの?」

というシミュレーションです。