輸入先の偏りと販売事業の集約化が懸案事項
1つは、表3からわかるように、LPガスの輸入先が中東諸国に偏っているため、中東諸国の盟主であるサウジアラビアの国営企業であるサウジアラムコが一方的に決める割高な契約価格(CP)で、輸入せざるをえないことである。
この状況を打破するためには、LPガスよりも天然ガスのほうが輸入先の分散が進んでいる事実をふまえ、今後は、天然ガス生産に随伴して得られるLPガスを世界各地から輸入するようにすることが大切である。
もう1つは、08年3月末時点でLPガス販売事業者数が2万3893事業者に達した(経済産業省資源エネルギー庁調べ)点からわかるように、事業規模が零細であるため、配送の合理化が進んでいないことである。
この状況を打破するには、LPガス販売事業の集約化を進め、配送設備の統廃合に取り組むことが重要である。
(大橋昭一=図版作成)