ほぼ7割を占める「イラン系」の2民族

2021年8月15日、アフガニスタンのタリバンが首都カブールを制圧して以降、同国は混乱の中にあります。アフガニスタン人とはいったい、どのような人たちなのでしょうか。その民族の歴史を紐解いていきます。

アフガニスタンの市場
写真=AFP/アフロ
アフガニスタンの首都カブールの混雑した市場を歩く人々(2021年6月21日撮影)

アフガニスタンには、パシュトゥーン人やタジク人などのイラン系民族が多く居住しています。アフガニスタンの最大民族はパシュトゥーン人で、全人口の約4割を占めます。タリバンもパシュトゥーン人の出身者がほとんどです。逃亡したガニ元大統領やカルザイ元大統領もパシュトゥーン人です。「アフガン」はパシュトゥーン人の別称で「山の民」を意味します。「スタン」とは「~の土地」を意味するペルシア語です。

タジク人はパシュトゥーン人に次いで多く、全人口の3割弱を占めます。タジク人はアフガニスタンの北側の隣国、タジキスタンにおける最大の民族です。

パシュトゥーン人やタジク人はかつてのソグド人などの、古代イラン系民族の血統を引いていると考えられます。元の時代の中国では、ウイグル人やチベット系タングート人などの中国西域に住む人々とともに、「色目人」と呼ばれまていました。