部下に尊敬される上司とめられる上司はどこが違うのか。札幌大谷大学の平岡祥孝教授は「尊敬される上司は、部下を育てようという思いの強さが違う。上司の仕事は部下サービス業であると捉えたほうがいい」という――。

※本稿は、平岡祥孝『リーダーが優秀なら、組織も悪くない』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

上司が変わったら仕事が楽しくなった

【A】最近ね、新しい業務のことでモヤモヤしているんだ。だいたい手順はわかってきたんだけれど、けっこう面倒で難しい。すごく時間もかかるし。それにまだ、相当勉強しないといけないの。

C課長からは、早くそのエキスパートになれって言われているんだけれど、要は頑張れ、頑張れだけなのよね。昨日も遅くまで残業になってさ……。何だか不安になっちゃったんだよね。やっていく自信なくしちゃってさ。最近辞めちゃったF先輩の気持ちがわかるような気がするのよ。

【B】ウワー! ガチな仕事の話だったのね。また、例の彼氏が何かやらかしたかと思ったわよ。

でもさ、女性のキャリア形成とか、ワーク・ライフ・バランスとか、CSRとか、CSとか、やっとにぎやかになってきたけど、女性、男性問わず皆、きちんと理解して納得しているか、私は内心疑問だったんだよね。男社会をノビ~ノビと生きてきた管理職のオジサンたちなんてどう思っているやら。

私も私で、最近まで「会社にお勤めすることが仕事」ぐらいにしか思ってなかったな。学生時代のキャリア教育なんかまったく役に立たないよね。仕事をする意味なんて、あんまりマジメに考えたことなかったよ。

【A】過去形で言うってことは、今は違うってこと? 心境の変化はいつからなの?

【B】H課長と仕事をするようになってからかな。

【A】その話聞かせてよ、この店はおごるからさ。

【B】それではご馳走になりますか。まずはね、前任のG課長時代の振り返りからね。