「学校生活」の存在感が浮き彫りになった
昨年4月の1回目の緊急事態宣言から1年以上たち、コロナ禍での2回目の夏休みとなりました。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象となっている地域もあり、昨年同様ステイホームで過ごすのか、ワクチン接種などもあり、より多くの人が移動するのか、いろいろな行動様式が予想されます。
私はコロナ禍で1000人以上の働く人との産業医面談を通じて、大人がストレスを抱えていることは日々感じてきました。では、その大人に育てられている子供たちのストレス度合いは、どのようなものでしょうか。
多くの子供にとって、コロナ禍はそれまで当たり前であった学校生活が、どれだけ大きな存在であったかを改めて浮き彫りにしたと思います。学校は、単に学習機会の提供を保障するという役割のみならず、年相応の全人的な発達や成長を保障する役割、他者と安全安心につながることができる居場所(セーフティーネット)として、心身の健康を保障する役割も持っていることが再認識されました。
何らかのストレス反応を示す子供は70%以上
昨年から5回実施された国立成育医療研究センターのアンケートによると、コロナ禍で何らかのストレス反応を呈している子供は72~75%(第1~3回調査より)。そして、小学4~6年生の15%、中学生の24%、高校生の30%に、中等度以上のうつ症状があるそうです(第4回)。
直近の第5回調査では、先生や大人への話しかけやすさ・相談しやすさに対して、51%がコロナによって(とても/すこし)『減った』と回答しています。子供たちの生活の質を考える上での身体的健康については、全年齢群で以前の調査時よりも低く、精神的健康については、中高生で以前の調査時よりも低い結果でした。
また、この調査では、保護者の62%がこころに何らかの負担を感じており(第1回)、保護者の29%に中等度以上のうつ症状があることもわかりました(第4回調査)。