母親のイライラした姿に戸惑っていた娘
そして、娘さんはコロナ禍になり、母親が昼間も家にいる生活に戸惑いを感じたそうです。母親のイライラしている姿をみると、自分の家なのに自分はここにいてはいけない気持ちになったことや、きつい口調が聞こえると、自分が叱られているように感じ、次第に学業に身が入らなくなったとのことでした。母親が寝ている夜間に学校の課題などをこなすようになったため、生活リズムが崩れてしまったそうです。
Aさんは子供の告白にショックを受けたものの、在宅勤務で自分がストレスを感じていることは気づいていたので、その内容を素直に受け入れることができました。今はなるべく出社勤務をすることを意識しており、次第にお子さんも調子を戻し始めているとのことでした。
「解決しなければ」と思う必要はない
子供のストレスの原因がわかったとき、大人はどう対処すればいいのでしょうか。実は必ずしもその原因を解決しなければならないわけではありません。
大切なことは、子供がストレスを感じていることに気がつくことです。そして、ぜひ「気がついていること」を伝えてあげてください。
もし、子供が話をしたくなさそうであれば、気がついていることや応援していることを伝えるだけでもいいと思います。しばらく様子を見てから、また声をかけてあげましょう。
話をしたそうであれば、ぜひ、何にどのようなストレスを感じているのかを聞いてあげてください。原因を解決できなくても、問題を知ることで子供のストレスの半分は解決すると私は考えます。
コロナ禍で子供が感じているストレスは、大人が解決できることばかりではありません。誰にも簡単に解決できないからこそ、ストレスなのです。まずはそのことを受け入れましょう。
子供のストレス原因を解決しなければならないと思うと、なにか答えを出さねばならないと考え、判断に迷いが生じます。そうやって大人が不安定になってしまうと、「守られている」という子供の安心感を失わせ、ストレスへとつながってしまいます。まずは、気付き、話をきく、解決できなくても何が問題なのかを知ってください。繰り返しますが、大人が気づくだけで、子供のストレスは半減します。