天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが、髪型をロングヘアからボブへと大きく変えた。コラムニストの矢部万紀子さんは「雅子さまとおそろいのロングヘアは、生きづらさを共有した母子の絆の表れだった。それを切ったということは、二人が皇室という場所にしっかり両足をつけ、歩いていけるという証しではないか」という――。
髪のカットから読み解ける愛子さまの「強さ」に感動した
愛子さまが髪を切った。とても驚き、しみじみ思った。そうか、ここまで来たか、すごいな、強いなと。順を追って書いていく。
愛子さまの“変身”を知ったのは、『女性自身』5月4日号。巻頭グラビアが、皇后雅子さまと愛子さまの最新ショットを報じていた。ご一家で改修工事中の皇居・旧吹上仙洞御所を視察に向かう4月13日の写真なのだが、愛子さまは髪を短くし、肩までのふんわり内巻きスタイルにしていたのだ。
とにかく、愛子さまといえば超ロングヘア。トレードマークのようにとらえていた。同誌が並べて掲載した約半年前(2020年12月)の写真も、髪は腰あたりまである。多分、30センチ以上、切ったに違いない。雅子さまの隣でほほ笑む明るい表情に、見出しは「愛子さま 新学期はボブヘアで♪」とあった。
4月から学習院大学文学部の2年生になった愛子さま。「女子大生らしいおしゃれ心」と説明する文章はもちろんその通りなのだが、それ以上のことを読み解いてしまった。雅子さまと愛子さま、お二人はある時からずっと「ロングヘア」だった。それは「皇室」という世界で、手に手をとって歩んできたお二人の「絆」の表れだったと感じている。その姿を見てきたから、愛子さまの決断は「おしゃれ」だけではないと思うのだ。
髪を切った=絆を切った、などと言うつもりは毛頭ない。そうではなく、「絆」は次の段階に入ったのではないだろうか。愛子さまのボブヘアは、皇室という場所にしっかり両足をつけ、歩いていけるという証し。愛子さまだけでなく、雅子さまも歩いていける。そう思えたから髪を切った。その強さに感動したのだ。そんな思いをわかっていただくには、お二人の「ヘアスタイル史」を振り返ることだと思う。