長期投資で資産を形成するにはどうすればいいのか。マネックス証券チーフ・外国株コンサルタントの岡元兵八郎氏は「日本株より米国株に投資するべきだ。そのほうが将来的なリターンが大きい」という――。
私の米国株投資の最大の過ちとは
私はかれこれ30年以上米国株を含む外国株の投資を行ってきました。その中で一番の失敗は、買った株を売ってしまったことです。なぜなら米国株は史上最高値を更新してきた訳ですから。私が社会人になった1987年の4月1日のS&P500は292ポイント、ほぼ33年たった今年の2月16日には3950ポイントで史上最高値を更新しています。13.5倍の上昇率です。
そんな私がいまだに後悔している具体例についてお話します。
米国では長期に亘り増配を続けてきた企業が多くあります。その中でも25年以上増配を継続している銘柄は配当貴族と呼ばれており注目を得ています。タバコ会社のアルトリアもその一つです。同社は元々フィリップ・モリスという社名だったのですが、2008年に米国外の事業をフィリップ・モリスとしてスピンオフさせ、米国のたばこ事業部門をアルトリアと社名変更し上場しています。
私は1992年当時フリップ・モリスの株を買って、1割以上のリターンをあげて売却したことをよく覚えています。私の後悔はその時10%のリターンで売却してしまったことです。1992年末のフィリップ・モリスの株価は5ドル95セントで(株式分割、他事業スピンオフ調整後)、約29年たった今年の2月末の株価は43ドル60セントです。株価の上昇率は7.3倍ですが、私はこのことを後悔しているのではありません。もっと大事なことがあります。