アクション⑤:文字でなく映像でコミュニケーションする

成果を出し続ける「トップ5%社員」は、コミュニケーションによって相手を思い通りに動かすことを目指している。そして、相手を動かすために、「伝える」ではなく「伝わる」コミュニケーションを心掛けている

「伝える」は自分本位で、「伝わる」は相手本位。「伝わる」とは、自分が思い描いている動画や画像とまったく同じものが相手の頭に思い浮かぶこと。相手を動かすのが目的だから、相手の特徴や興味・関心に寄り添ってコミュニケーションすることが必要不可欠だ。

コミュニケーションによって相手を動かそうとする「トップ5%社員」は、なるべく文字ではなく画像や動画で表現しようとしている。そのほうがイメージを正確に伝えられるからだ。「トップ5%社員」はパワポ資料の5枚に1枚は大きな画像を挿入してイメージを共有する。一方、「95%の一般社員」は、1枚に多くのアイコンを使って相手を困惑させている。

ところで、オンライン会議でビデオをONにしない若手社員が多くいる。自宅のプライバシーを気にしていたり、ボサボサの髪を見せたくなったりするのかもしれない。だが、「トップ5%社員」である20代は、多くがみずから率先してビデオをONにして参加している。先輩や上司の発言をうなずきながら聴き、発言するときももちろん映像はONにして、笑顔とジェスチャーで相手に伝わるように話している。結果、好印象を持たれ、周囲を巻き込みやすくなっている。

オンライン会議中は映像ONで感情共有を
画像提供=株式会社クロスリバー

上司は「見えないこと」に対して不安を抱きがちだ。オンライン会議中に聞いていないのではないか、内職をしているのではないかと疑ってしまうこともある。あらぬ疑いを持たれずに、そして、能動的に会議に参加している姿勢を見せるためにも、ビデオをONにすることをおすすめする。

グレート・リセットに備えよ

現在のコロナ禍も、いずれは収まるだろう。しかし元通りにはならない。

2021年1月に開催される世界経済フォーラムのテーマは「グレート・リセット」。持続可能かつレジリエンス(適応、回復する力)ある未来を実現するため、経済・社会システムの基盤を構築し直すという意味である。

越川慎司『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
越川慎司『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

これは、企業や個人にも当てはまる。

テレワークは働き方の選択肢として今後も永遠に残る。実は私は、みなさんがよく使う某ビデオ会議アプリの日本法人設立にかかわっている。数年前の設立時に、まさか日本人ビジネスパーソンの誰もが使うような状況になるとは想像もしていなかった。

「出社すること」や「働く時間」で評価されることはなく、より短い時間で成果を残せる人が評価されるように時代は変わる。これまで積み重ねた経験や実績がリセットされ、「汗」が評価されたアナログ時代の経験や実績を持たない若手社員にも、先輩たちと同じ競争のスタートラインに立つことができるようになる。

変化が激しく不確実な時代で戸惑うこともあるだろう。しかし、20代社員のほうが固定観念に染まらず新たな一歩を出しやすいはずだ。

来るグレート・リセットをチャンスに変えるためにも、成果を残しやすくなる「トップ5%社員」の「5つのアクション」のどれかに挑戦してみて欲しい。実践して振り返り、よいと感じたら続ければいいし、そうでなければ修正すればよい。

その積み重ねができることこそ、「変化を生き抜くための適応力」でもあるのだから。

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