日本の市場は、その特殊性から「ガラパゴス」に例えられる。日本市場と世界のニーズとの隔絶が問題視される中、その特殊性をうまく活用すべし、と筆者は説く。
環境の特異性が産業の発達を左右する
南米エクアドル沖1000キロの太平洋の中に、ガラパゴス諸島という火山性群島がある。赤道直下で、近くに大きな陸地はまったくなく、その孤絶した、しかも厳しい自然環境がゾウガメなどの特異な進化を育み、この群島にしか見られない固有種が多い。
そのガラパゴス諸島と日本が似ている、という話がここ数年、よく語られるようになってきた。日本市場という、嗜好や品質にうるさい、しかもある程度の経済水準の顧客が多い「世界でも稀な」場に適応するように企業が製品開発を続けると、あたかもガラパゴスゾウガメと同じように、他の市場とは隔絶した製品の進化をしてしまう、というのである。
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