きわめて難しい株式持ち合いの定義

上場株式の持ち合いに対する市場や監督当局の目が厳しくなっている。持ち合いの実態と目的を開示させるという方向での規制が強化されつつあるし、持ち合いを難しくさせる時価主義会計制度の強化も進められている。

そもそも持ち合いとは何か。その定義はきわめて難しい。持ち合いは、明確な契約書を交わして行われるのではなく、経営者の暗黙の了解をもとに行われる慣行だからである。持ち合いの状況を開示せよとの要求に対して、どの株式保有が持ち合いに当たるか、と考えあぐねている経営者も少なくない。