日本育ちでロシア国籍の弁護士、ベロスルドヴァ・オリガさんは、日本語、ロシア語、英語のトライリンガルにもかかわらず日本を拠点に活動している。しかも「日本ほど、すてきで住みやすい国は他に存在しない」として、今後も日本に住み続けたいという。オリガさんが考える日本の魅力とは——。
決まって聞かれる「いじめられた経験はあるか」という質問
こんにちは。弁護士のベロスルドヴァ・オリガです。前回までの資格試験や英語の勉強法の記事には、多くの温かいコメントを頂きました。どうもありがとうございます。コメントの中には、私自身が日本に住み続け、日本で弁護士として働く決断をしたことについて、興味を持ってくださった方もいらっしゃいました。
そこで、今回は、私が日本社会に対して抱いているすてきな印象と、外国籍者として住む上での覚悟についてお話したいと思います。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、私はロシア・シベリアの中心都市ノヴォシビルスクに生まれ、2歳半の頃に、物理学の研究者である父の仕事の関係で宮城県仙台市に移り住んできました。日本の義務教育を経て、慶應義塾大学法学部に進学。東京大学大学院在学中にロシア出身者としては史上初めて予備試験・司法試験に合格し、今は弁護士として東京で働いています。
最近、いろいろなメディアの方々から、私のこれまでの人生について尋ねられることがあります。そのときに決まって聞かれる質問が「小中学校時代、その見た目からいじめられた経験はあるか」というものです。