北海道から沖縄県まで全国各地で届け出が続々と
この連載では各紙の社説を読み比べている。いつものように社説を読んでいると、8月14日付の産経新聞の社説(主張)の書き出しのが目にとまった。
「中国が発送元とみられる正体不明の種子が入った郵便物が、日本各地に届いている」
中国嫌いの産経社説がまた中国を酷評しているのか。そう思って見出しを見ると、「正体不明の種子 国は実態把握と解明急げ」とある。気になって読み進むと、「病害虫が付着しているかもしれない。心当たりのない種子が届いた場合は、庭や植木鉢に植えたり捨てたりせず、最寄りの農林水産省植物防疫所に相談してほしい」と読者に呼びかけている。
農水省によると、「ナゾの種が自宅に届いた」と北海道から沖縄県まで全国各地の植物防疫所に計約700件も、不安の声や相談、苦情が出されている。
一体だれが、どんな意図で送りつけているのか
産経社説は「植物防疫官の検査を受けないまま、怪しげな種子の国内侵入を許してしまっている現状を放置するわけにもいかない」と書いたうえで、新聞社の社説らしく政府にもこう求めていた。
「政府が実態把握と種子の分析を急がねばならぬのは当然だ」
「中国など関係国への照会のほか、税関や地方自治体と情報共有に努め、国民への注意喚起を徹底してもらいたい」
頼んでもいないのに種子が届くというのはうす気味悪い。政府には徹底的に調査してもらいたい。このまま数が増えれば、犯罪といっても差し支えないだろう。一体だれが、どんな意図で送りつけているのだろうか。
この正体不明の種子は、日本だけではなく海外でも「中国郵政」(郵政や金融の業務を扱う中国の国有企業)との送り状が貼られた郵便物が相次いで届けられている。アメリカの農務省は、種子が国内に存在しない外来種である恐れや付着した害虫や病原体が蔓延するリスクを懸念し、「栽培しないでください」と強く呼び掛けている。