送付の目的は「ブラッシング詐欺」である可能性が強い

米紙ウォールストリート・ジャーナルの電子版によると、7月下旬以降、これまでにアメリカの22州と、イギリス、カナダなどで数百人に種子入りの不審な郵便物が届いている。種子はこれまでにコスモス、アサガオ、ヒマワリ、アブラナ、キャベツ、カラシ、バラ、ハスなど10種類以上が確認されている。

封筒には「宝石」「ネックレス」「指輪」などと記載され、「種子」とは書かれていない。中国で使われているバーコードも印刷されていることなどから、アメリカ政府は中国から送付されている可能性が強いとみている。

アメリカの農務省は送付の目的について、「『ブラッシング詐欺』だ。入手した証拠類から判断して間違いない」と発表している。

ブラッシング詐欺とは、通販サイトの販売主が高評価を集めるために行う架空注文のことである。犯人はまず、個人情報を入手して購入者になりすます。そのうえで販売主は犯人に架空の注文をさせ、商品に高評価を付けさせる。ただし、高評価が掲載されるには、実際に何らかの商品を購入者に送ってサイト管理者を欺く必要がある。そこで安価な種子を送るのだ。

中国政府の言うことは疑ってかからないと相手にしていられない

これまでの報道によると、郵便パッケージは白いビニール製で、大きさはハガキぐらい。受取人の名前、郵便番号、住所、電話番号が記載されているが、送り主の名前や住所はない。送り主の欄には、中国の国有企業「中国郵政」と「広東省深圳市」とも書かれ、さらに使われていない「電話番号」も記載されている。

身に覚えのない中国の業者から突然、封筒が届き、そこからは種子の入った小さなビニール袋が出てくる。「もしかしたら毒物かもしれない」と不安になるし、「なぜ私の名前や住所が分かるの」と気持ち悪くもなる。

中国政府は「中国郵政」の文字は偽造されたもので、ほかにも誤りがあるとしている。正規のルートで中国から届いている郵便物ではないというのだが、本当だろうか。

産経社説がそうであるように、中国政府の言うことはどうしても疑ってしまう。いや、疑ってかからないと中国という国など相手にしていられない。