コロナ禍に信を問う「別の道」がある

政界に吹き始めた「解散風」が勢いを増している。その発信源は政権中枢で、新型コロナウイルスの「第1波」が収束し、「第2波」到来までの間に衆議院解散・総選挙を実施しておきたいとの思惑が透けて見える。衆議院議員の任期満了まで1年半を切り、急落した内閣支持率と安倍晋三総理の求心力を回復させるためには「この道しかない」というわけだろう。

国立国会
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でも、ちょっと待って。再び新規感染者が増加傾向にあるコロナ禍において総選挙を実施すれば全国的に「密」が生じるリスクとなるのではないか。強引にその道を突き進めば、逆風を浴びて政権を失う「悪夢」もよぎるところだろう。これまで拙稿は失われた「民の声」を聞くための方策として解散総選挙を断行すべきと提言してきたが、現在の安倍官邸による解散戦略には疑問がある。コロナ禍に信を問う「別の道」を提案したい。