本当にやるべきことは総裁選だ
そもそも自民党の視点に立った信を問う方法ならば、「別の道」があるのではないか。それは、解散総選挙よりも前に「自民党総裁選」を実施することだ。安倍総理や麻生財務相が解散総選挙を断行したい理由は、落ち込んだ自民党や内閣支持率の低下を反転させ、求心力を高め、力強く政策を遂行していくことにあるのだろう。
それだけの理由ならば、コロナ禍のリスクは極力控えて「政治空白」を生まない総裁選を単にやれば良いだけである。総裁選は与党に許された「メディアジャック」が可能なツールで、たとえオンライン選挙であっても自民党に国民の注目が集まり、候補者と支援者が限定されるため「密」をつくらない工夫は可能だ。
現在のルールでは「安倍4選」ができないようになっているが、それは安倍氏が再出馬できるようルールを変更すればクリアできる。人材が豊富な自民党の複数の候補者による総裁選で安倍氏があらためて勝利すれば求心力も支持率も回復するのではないか。
暴論といわれるかもしれないが、総裁選を実施した上で可能である状況ならば解散総選挙を断行すれば良い。今、やるべきは「政治空白」や「密」が心配な総選挙ではなく、自民党総裁選による危機に対応できるリーダー選びであるということをおススメしたい。