都知事選では起きなかった「れいわ旋風」
約1400万人の人口を抱える首都・東京では近年、2つの「旋風」が起きた。1つは、先の都知事選で再選を果たした小池百合子都知事による「小池旋風」。もう1つは、2019年の参議院選挙で「れいわ旋風」を起こした山本太郎元参議院議員によるものだ。だが、小池氏が4年前の前回都知事選で獲得した291万票から約75万票伸ばし、史上2番目となる約366万票で圧勝したのに対し、山本氏の支持は今回の都知事選で広がることはなかった。異彩を放つ山本氏が「れいわ旋風」を再び起こすために必要な何かとは――。
「主要4候補の中で、日本維新の会の推薦候補がビリになるのは予想通りの結果だったが、2位と3位はもう少し僅差になると思っていた。山本氏の票が思ったよりも出なかったということは、そこが限界ということなのかもしれない」
都知事選の開票日から一夜明けた7月6日、選挙取材を重ねてきた全国紙政治部記者の1人はこう首を傾げた。政党の推薦を受けず、ほとんど選挙活動を行わない「オンライン選挙」に徹しながらも幅広い層から支持を得た小池氏は366万1371票を獲得、その得票率は59.70%に達した。15.21ポイント上積みされた得票率を見ると、2016年夏の初当選から翌年の東京都議選に向けた「小池無双」状態が再来したようにも映る。