あれはビジネスプロモーションの会見だった

もちろん、手越さんが23日に開いた記者会見によって、ジャニーズ事務所や仕事の関係者への謝罪が済んだというわけではない。

だが、2時間にわたる記者会見によって、謝罪だけでなく、事務所退所後にボランティア活動や、グローバルに展開するビジネスを構想している点を語ったことで、世間の関心は、彼のスキャンダルよりも、今後の手越さんの行動に注目が移ることとなった。

つまり、記者会見は、手越さんにとってひとつの鎮火作業の役割を果たし、さらに自身の今後のビジネスのプロモーションの場として機能してくれたのだ。

ここまで、手越さんの対応を見れば、渡部さんがいかに“守り”が不得手だったか明らかになってくる。

守りが弱すぎるアンジャッシュ渡部、最悪の意思決定

自身が起こした不倫の詳細について、渡部さん自身が「大変失礼で、卑劣で、最低なやり方」と語るように、彼はその内容には触れてほしくないのが本音だろう。

仮に彼が記者会見を開き、その詳細について自身で何時間でも説明すれば、それ以降は不倫の話題にかんしてある程度“鎮火”させることができたかもしれない。

しかし、渡部さんは突然の自粛に入ったことで、なかばすべての仕事と世間への説明を“ドタキャン”するに至ってしまった。

筆者は、これは渡部さんにとって、最悪の意思決定だったと考える。

渡部さんは恋愛心理学を紹介したYouTubeチャンネルや、大物芸能人やアスリートとのツーショットを投稿しているインスタグラム含め、ポジティブな情報のみをこれまで発信し続けていた。

すでに報じているが、渡部さんは過去出演している「アメトーーク!」で、自身が得意とする恋愛心理学も、グルメも、スポーツも、自身の芸能界で生き残る戦略として努力して身につけてきたものであったことが明らかになっている。

だが、彼は危機に陥ったときの対応という意味での努力は一切してこなかったのである。

何が命運を分けたのか

いわば、渡部さんは自身が芸能界という山を上り詰めていくまでの“攻め”についてはストイックに学ぶ努力を惜しまなかったものの、いざというときに転落した際の“守り”の戦略、つまり命綱は一つもつけていなかった。

それが手越さんとの命運を分けた。

2時間にわたる記者会見で、あっけらかんとした顔でハキハキと冗談交じりで記者の質問に答えていた手越さんに対し、25日発売の『週刊文春』で独占インタビューに答える渡部さんは、なぜか黒いネクタイを締めた喪服姿で涙を流しインタビューに答えている。

その悲哀感と、手越さんの開き直った表情は、まさに危機が起きた際の対応力の違いが明確に浮き彫りになった姿と言える。

たしかに両者のスキャンダルの詳細は大きく異るものだ。

だが、近年SNSによって芸能人を含めた個人が影響力を持つようになった時代において、攻めよりも守りの戦略を固めることがタレントとして生き残る上で重要な指標になってきているのではないだろうか。

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