神戸市に全国から客が集まる人気の「猫カフェ」がある。この店の特徴は「ブリーダーからの純血種」と「雑種・純血種の保護猫」の両方がいること。実は同じ猫好きといっても、この2つは相容れない関係なのだ。スタッフの太期由美子さんは「日本ではいまでも年間3万件超の殺処分がある。この問題を解決するには猫好きがまとまる必要がある」と訴える――。

全国の同業者が視察にする神戸の超人気「猫カフェ」の秘密

猫と気軽に触れ合える場所、「猫カフェ」。環境省の調査(2015年)によると、日本には300を超える猫カフェが存在する。また、それとは別に、近年は保護団体と連携して猫の譲渡活動も手がける「保護猫カフェ」も増えてきた。

雑種の「まる」
筆者撮影
雑種の「まる」

2019年、神戸にオープンした「猫カフェ 猫の屋おでん」は、猫と触れ合うだけでなく、「猫と人とが幸せに暮らすためのコミュニティづくり」をコンセプトとする、母娘による家族経営の「猫カフェ」だ。そのコンセプトに共鳴し、店の空間づくりも学びたいと地元近畿圏だけでなく全国から訪れる客や同業者が絶えないという。スタッフである長女、太期(だいご)由美子さん(40歳)に話を聞いた。

左から妹、母、由美子さん
筆者撮影
左から妹、母、由美子さん