CNNの報道はなぜ注目された?
日本時間で4月21日午前に米CNNが、米政府当局者の話として北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)が手術を受けて重体になっているとの情報があると報道した。これがアメリカだけではなく、日本や中国でも報道された。さらに妹である金与正(キム・ヨジョン)が後継者になったとか、金正恩が死亡したなどいろいろな尾ひれがついたさまざまな怪しいデマ(フェイクニュース)がSNSやYouTube、Webなどを駆け巡った。もはや、もともと何の報道だったのかも分からなくなった感がある。
「金正恩重体説」そのものは、北朝鮮の問題ではない。韓国やアメリカ、そして日本におけるデマ拡散の問題である。簡単に言えば、デマによってトイレットペーパーの買い占めが発生する問題などと同じである。なぜ、このようなデマに人々は飛びついたのかを考えてみよう。
まず、CNNの報道がなぜこれほど注目されたのかを考えてみたい。それは、CNNが報道する前日である4月20日に流れた、韓国の北朝鮮専門インターネット新聞であるDaily NKの記事と比較すれば分かる。Daily NKが報道した「金正恩、最近心血管手術受けた...まだ特閣で治療中」とは「Daily NKの北朝鮮の内部消息筋によると、金委員長は12日、平安北道妙香山地区内に位置する金氏一家の専用病院である香山診療所で心血管手術を受けて、近くの香山特閣に滞在し、医療スタッフの治療を受けている……これらの医療スタッフは、金委員長の状態が好転したという判断に基づき、ほとんどが19日に平壌に復帰」したという内容であった。