最大の輸出相手から競争上の脅威となった中国

新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界経済は大きな混乱と変化に直面している。米国が主導してきたグローバル経済が、重大かつ大きな転換点に差し掛かっている。それにともない、多くの国が未曽有の構造変化を余儀なくされている。

そうした状況下、韓国では資金流出や企業業績・財務内容の悪化懸念が高まっている。加えて、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の健康不安説が報じられていることで不安定感も増している。世界経済はコロナショックによって1918年に発生したスペイン風邪に匹敵する景気後退に陥り、韓国経済はさらに厳しい状況を迎える可能性がある。

韓国・ソウルで選挙ポスターを貼る国政選挙委員会の関係者たち=2020年4月2日、来る総選挙に向けた13日間の公式選挙運動期間が4月2日から始まった。
写真=EPA/時事通信フォト
韓国・ソウルで選挙ポスターを貼る国政選挙委員会の関係者たち=2020年4月2日、来る総選挙に向けた13日間の公式選挙運動期間が4月2日から始まった。

一方、オンライン学習やテレワークなど、今後の世界経済に大きな影響を与える取り組みが進んでいることも見逃せない。米中のIT先端企業はネットワーク・テクノロジーの高度化とその実用化を通して、感染対策や経済活動の下支えに重要な役割を果たしている。

中国は先端分野での競争力を急速に高めている。韓国にとって中国が最大の輸出相手から競争上の脅威としての存在に変わりはじめていることは冷静に考えなければならない。