芸能人の不倫、歌手の薬物疑惑、財界の不祥事――。世の週刊誌記者はいったいどのようにして情報を知り、スクープにするのか不思議に思う人も多いはずだ。だいたいが妬みからのリークだと思われがちだが、それだけではない。仕事をサボっていたら思わぬスクープがとれた。あるネタを追っていたら別の大きなネタが出てきた。ネタ元という存在、映画さながらの工作、ハニートラップ。魑魅魍魎うずまく永田町や霞が関からのドロドロとしたリーク。スクープの裏側には、読者には見えない人間模様が存在する。誌面には出てこない裏情報をもとに、ニュースを読み解いていく週刊誌記者の仕事術をお届けする。
緊急事態宣言のなか、歌舞伎町にある性風俗店(セクシーキャバクラ)に来店し、狼藉を働いたのは、立憲民主党の高井崇志衆議院議員だ。そのあるまじき行為に世間は騒然となったが、私はある部分に違和感を覚えた。それは、「週刊文春」と「週刊新潮」が同時にこのスクープを報じたことだ。
とある週刊誌のデスクはこう証言する。
「高井議員のネタですよね。じつはウチにも売り込みがきていたんですよ。しかし、締め切りの関係で文春さんや新潮さん(両誌とも木曜発売)が先にやるだろうなと思い、掲載はしなかったんです。しかし、2誌同時に出るとは思いませんでしたね」