星野源さんは「事前連絡や確認は一切なかった」とコメント
全世帯に布マスクを2枚ずつ送るという方針にも厳しい評価が下された。「評価しない」が76.2%。「アベノマスク」という言葉は、国民の間にすっかり定着してしまった。この問題については4月3日に配信した「『2カ月待たせてマスク2枚』世界中がずっこけたアベノマスク騒動」を参照いただきたい。
「コロナ対応」での失態という意味では、もう一つ指摘しておきたい。安倍氏は12日、自身が自宅で愛犬とくつろいだり、飲み物を飲んだり、読書したりする動画を首相官邸のインスタグラムなどに投稿した。これはシンガー・ソングライターの星野源さんが「うちで踊ろう」という歌の動画をアップしたのに、安倍氏が応じたものだ。
ただ、星野さんは動画に「誰か、この動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?」というコメントを付けており、安倍氏の動画は呼びかけに応じているとは言いがたい。しかもこの非常時に優雅な姿を見せていることから、ネット上では「今そんなことをしている時か」といった批判が殺到した。
星野さんも安倍氏の投稿に距離を取っているようで、12日深夜に「ひとつだけ。安倍晋三さんが上げられた“うちで踊ろう”の動画ですが、これまで様々な動画をアップして下さっている沢山の皆さんと同じ様に、僕自身にも所属事務所にも事前連絡や確認は、事後も含めて一切ありません」というコメントを出している。
危機管理が得意だった安倍政権が揺らいでいる理由
安倍氏としては、自ら率先して自宅にとどまっている姿をみせて国民に外出自粛を呼び掛けたつもりだったのだろう。その気持ちは分からないではないが、今の国民は安倍氏から離れてしまっているから、こういう動画にも批判が殺到する。共同通信の調査は13日までの数字なので、安倍氏の動画をみて失望した人の声も一部で反映されていることだろう。
安倍政権は危機管理を得意としてきた。北朝鮮の核ミサイル対応などに力を注いで来たことからそういう印象が備わったこともある。また東日本大震災やそれに伴う原発事故の対応にあたった民主党政権が、あまりにもお粗末だったこととの対比もあるだろう。
いずれにしても災害、外交上の危機が生じると安倍政権は評価を上げることが多かった。今回、なぜそうならないのだろうか。