IT革命の“申し子”コムトラックス

ITを駆使すると、ここまで製造業のあり方が変わるのかという典型例が、国内建設機械最大手のコマツが開発した「KOMTRAX(コムトラックス)」と呼ばれる機械稼働管理システムである。建機に通信機器や全地球測位システム(GPS)を搭載することで、建機の所有者はパソコンの画面上で車両の位置を確認したり、盗難や故障などの異常を把握することができる。

「北米のサイトから見ていきましょう」と言って、KOMTRAXグローバル推進室の笠原時次室長が、パソコン上で簡単な操作を繰り返す。すると、無数の青い点がまだら模様に散らばる、北米の地図が画面上に映し出された。これらの青い点は、北米における現時点での建機の位置情報を表している。