ここ数年、「ITベンチャーの聖地」といわれてきた渋谷地域から、六本木などほかの地域にオフィスを移すIT企業が目立つ。そうした動きを加速させているのが、「東京のオフィスビル、ナンバーワン」を謳う住友不動産だ。なぜITベンチャーに選ばれているのか。ビル営業部長の山下竜弥氏に聞いた――。
オフィスビルの1階に貸室を設けない理由
──住友不動産のオフィスビルに入るITベンチャーが増えているという印象があります。実際に手応えを感じていますか。
ITベンチャーに特化しているわけではありませんが、「ITベンチャーの聖地=渋谷」という従来のイメージを変えるようなオフィスを増やせていると思います。たとえば2016年3月竣工の六本木グランドタワーでは、DMMやBASEなど渋谷地域から多くのITベンチャーが移転されました。このビルは地上43階・地下2階建て、延床面積約6万3000坪を誇る我々のフラッグシップの1つで、テレビ東京も入居しています。
──なぜITベンチャーに選ばれていると分析していますか。
根底には当社のオフィスビルづくりのポリシー「シンプル・イズ・ベスト」をご評価いただいたのだと思います。ビル形状は「整形・無柱・広いワンフロア」にこだわっていて、自由にレイアウトできます。また外観は全面ガラス張りで、1階には貸室をあえて設けず、エントランスホールは重厚感のある広々とした空間にしています。一度お越しいただければ、他社物件との違いがおわかりになるはずです。
立地にもこだわっています。六本木グランドタワーの場合、南北線の六本木一丁目駅直結で、日比谷線・大江戸線の六本木駅や銀座線・南北線・丸ノ内線の溜池山王駅(国会議事堂前駅)、日比谷線の神谷町駅から徒歩圏内。利便性の高いところに、戦略的にビルを建てています。