今いる会社に居続けるべきか、辞めるべきか。経営共創基盤CEOの冨山和彦氏は「変わらない会社に居続けても時間のムダ。自分がエース社員だと思ったら一回辞めたほうがいい」という。その理由とは——。
2019年9月29日、大企業若手・中堅有志による「ONE JAPAN CONFERENCE 2019」が開かれた。冒頭セッションのテーマは「両利きの経営」。登壇者は、経営共創基盤CEOの冨山和彦氏、パナソニックノースアメリカ副社長の馬場渉氏、経済学者の安田洋祐氏、早稲田大学大学院教授の入山章栄氏の4人。4人は約1100人の前で、会社が生まれ変わるための条件について話した。
とりあえず一回会社を辞めたらいい
【冨山】僕がお手伝いしている東京電力とかパナソニックみたいな大企業が変わるのは大変。理由はかんたんで、新卒一括採用・終身雇用という既存システムで長年やってきた人がたくさんいるから。彼らからすると、遠くからやってきた新たな知によって、長年築き上げてきた地位がなくなったら困るわけです。今までは野球をやってきたのに「今日からラグビーをやりましょう」と言われても、対応できないでしょう。
だから20代、30代の若手社員がどんなに知の探索をして、本気で会社と戦っても報われません。じゃあどうすればいいかというと、とりあえず一回会社を辞めたらいい。どの会社も建前としては変わらないといけないというものの、実践できているのはごくわずか。
変わることができない会社にいる若手社員は時間のムダ。今の会社でやりたいことがあるとしても、一回辞めて、違うところで修行する。会社の仕組みが変わった頃、50歳くらいでまた戻って来るのがちょうどいい。