平均年収が296万円の理美容業界で、「年収700万を当たり前にする」という目標に挑戦している理容室がある。どうやって高い報酬を支払っているのか。大阪市内で理容室を展開する「ギークマン」の田中社長に聞いた――。
1カ月の平均報酬額は53万2528円
「こんなにもらっていいんですか?」「働かせてくれてありがとう」。スタッフがそう言って喜んでくれるのが、何よりもうれしい――。そう話すのは、大阪市中央区本町で理容室「Barber the GM(以下、GM)」を運営するギークマン代表取締役CEO・田中慎也氏だ。
厚生労働省の調査によると、理容師の平均年収は約296万円。同社は「700万円を当たり前の年収にする」という目標を掲げている。
近年、美容業界では、サロンが美容師を正社員として雇用する代わりに業務委託契約を結び、必要な場所や施術設備を貸し出して対価をもらう「面貸し」がはやっている。同社はこれを参考に理容師と業務委託契約を結んでいるのだ。
1号店オープンから1年半後の2019年8月、GMで働く理容師の1カ月の平均報酬額は53万2528円、最高報酬額は70万3454円だった。このペースでいくと平均年収の2.6倍、年収780万円のスタッフが誕生するという。
いったいなぜこのような高い報酬を支払うことができるのか? 田中氏に成功の秘密を聞いた。