改修工事を望むなら口コミやネットで業者の実績を確認せよ
新築住宅のバリアフリー化が進んでいます。ところが、いま住んでいる住宅に効果的なバリアフリー化工事を加えるとなると意外にたいへんです。
段差のフラット化、手すりの取り付け、廊下幅の拡張、風呂場入り口などのスペース確保。こういった工事をきちんと施工できる業者は、見つけにくいというのが実情だからです。
工務店などに相談すれば、少なくとも手すりなどのハードの取り付けだけはできますし、やはり仕事は欲しいので「大丈夫、できますよ」と答えるでしょう。
しかし、問題なのはその会社にきちんとしたノウハウの蓄積があるのか、ということです。
たとえば、手すりを取り付けるにしても、どの場所に、どの高さで取り付ければ効果的かをわかっていなければ、アリバイ的にただ「手すりを付けた」というだけになり、肝心の利用者にとっては、まったくバリアフリー化できていなかった、という結果を招きかねません。
ですから、本格的なバリアフリー化工事を望むのであれば、具体的な要望を事前にメモとしてまとめておき、それをもとに業者に実績(施工事例)を見せてもらうようにしましょう。
本来であれば、そうする以前に、業者側からソフトを含めた提案がどんどん出てくるのが理想的。いろいろな工事を手がけることで会社に経験の蓄積ができていれば、営業マンから「このドアは引き戸に換えたほうがいいですね」とか、「車いすで通過するには、ここは右開きにするよりも左開きのほうが便利ですよ」「風呂場の面積をこれくらい広げれば、介助の方も入れます」といった提案があるはずです。
そういった対応ができない業者は、すなわちバリアフリー化工事に不慣れであると見ていいでしょう。仮に頼んでしまったら、前述のように、使い勝手の悪い手すりなど不必要なバリアフリー化設備が残されるだけです。