要支援・要介護認定者なら
介護保険の利用で20万円までの援助も!
福祉方面からアプローチをするという道もあります。福祉ショップや介護に関するNPOなどの団体に問い合わせれば、地元でバリアフリー化工事の実績がある業者の名前くらいは教えてもらえると思います。
福祉ショップやNPOを探すためには、役所の福祉窓口を活用するといいでしょう。役所ですから民間の個別のリフォーム業者を紹介することはないでしょうが、福祉関係の団体名なら開示してくれるでしょう。
以上は「切羽詰まってから業者選びをする」というケースを念頭に置いています。しかし、本来はもっと余裕のある段階で、計画的にバリアフリー化を進めておくのがいいでしょう。
何らかのリフォーム工事を行う際に、「いまはまだ必要ないが、どうせリフォームするなら、ここまではやっておこう」と、将来への布石を打っておくのです。
たとえば、壁に手すりをつけるには壁の内側を補強しておく必要があります。そのための工事を何かのついでに行っておくとか、トイレや風呂場をリフォームする際に、車いすでも使えるように入り口前のスペースを広めにとっておく、といったことです。
逆にそういった配慮を怠ると、最初のリフォームからあまり時間が経たないうちに、バリアフリー化のためにもう一度同じ個所を大がかりな工事で直さなければならず、ある意味では理不尽な出費を強いられることになります。
ですから「リフォームのときは必ず将来のバリアフリー化についても配慮しておく」ということを留意しておきましょう。
バリアフリー化工事では、介護保険をはじめ、さまざまな公的援助を受けられる場合があります。たとえば介護保険の住宅改修費助成では要支援・要介護認定者に限り、20万円を上限に住宅改修工事費を受給できます。加えて自治体ごとの助成制度があるので、詳細を調べておくとよいでしょう。
最近は「温度のバリアフリー」という考えも一般的になってきました。
日本では冬場に高齢者が風呂場や脱衣室で亡くなる事故が少なくありません。「ヒートショック」という言葉がありますが、暖かい風呂場と寒い脱衣室との温度差によって血圧が急激に上下し、それによって脳出血などを起こすのです。原因は外壁の断熱が十分ではないことです。
そこで、新たに断熱材を詰めるなどしてしっかりした断熱を行うのが温度のバリアフリーです。高齢者のヒートショックを予防できるだけではなく、熱効率がよくなるのですから光熱費の節約にもつながります。その意味でも、温度のバリアフリーについても一考の価値があると思います。