2000年以前建築の戸建て住まいなら専門家のチェックを!

国内外で大地震が頻発するなか、戸建て住宅の耐震性に不安を持つ方が増えています。マンションであれば1981年、戸建て住宅であれば2000年が一つの基準になります。これ以前に建てられた住宅に住んでいる方は、一度、専門家に構造のチェックを依頼したほうがよいでしょう。

建物の耐震性能については、50年にできた建築基準法で最低の基準が定められ、以後、大地震を経るごとに内容の見直しが行われています。81年の大改正(新耐震基準)が有名ですが、これは主にRC(鉄筋コンクリート)の耐震基準を明確化したもので、要はマンションの耐震性を高めようという意図がありました。

しかし戸建て住宅に多い木造軸組工法(在来工法)に関しては、この時点では手付かずも同然でした。ようやく基準が明確化したのは、00年の改正のときです。

00年の改正では、次のような基準が導入されました。

(1)地盤調査の事実上の義務化
  (2)金物の使用個所、使用法の明確化
  (3)壁の配置にあたりバランス計算の義務付け

これによって、南面の壁だけに窓や扉など開口部が多いといった、構造上アンバランスな建物は基準をクリアしにくくなりました。逆にいえば、それより前には明確な基準が適用されていなかったため、耐震性に問題のある住宅が合法的に建てられていたおそれもあるのです。

当事務所へ相談に訪れるみなさんも、多くはそのことに不安を抱いていらっしゃいます。

たとえば「わが家は築30年になるので耐震性が心配だ。住み替えか建て替えを希望しているが、費用面からリフォームを選択することも考えている。どうしたらいいかアドバイスが欲しい」。このようにおっしゃる熟年世代の方が増えています。

そのようなときに、まずお勧めするのが「ホームインスペクション(住宅診断)」です。事務所が派遣する専門家が基本的に目視により住宅の構造をチェックします。これによって、「建て替えではなくリフォームしても安全かどうか」を調べるのです。ホームインスペクションを行っている専門家は「日本ホームインスペクターズ協会」のホームページから検索できます。