IHは手軽な工事で大きな満足を得られるリフォームの代表例
いま新築住宅では、オール電化を選択する人の割合が増えています。オール電化の柱は、IHクッキングヒーターとヒートポンプ式の給湯器「エコキュート」(商品名)です。オール電化が選ばれる理由のひとつに、IHクッキングヒーターの人気があります。
家族皆でおしゃべりをしたり、夫婦で一緒に過ごしたりする場所はダイニングキッチンだというお宅が多いでしょう。IHクッキングヒーターなら、汚れが飛び散りにくいうえ掃除がしやすいため、長時間過ごす場所であるキッチンをきれいに保ちやすいという点が、人気につながったのではないかと思います。
2つ目の理由は、新築の家自体がどんどん高気密化、高断熱化していることです。そんな家の中で火を使うことに、抵抗を感じる方も多いことでしょう。IHクッキングヒーターなら電子レンジと同じく電磁波調理のため、裸の火を使わないですみます。
3つ目の理由は、ガスからの切り換えが簡単なことです。いまの国産のガスコンロは、たいていIHに取り換えることができます。電源を引く工事が必要ですが、大半の場合、工事は半日もあれば終わります。導入するIHの性能にもよりますが、平均的な費用は20万円プラス工事費5万円といったところでしょう。
短期間の工事、低価格の費用ですむうえ、ガスからIHへリフォームすることで生活は大きく変わります。
まず、掃除がしやすくなります。ガスコンロの汚れを落とすのは骨の折れる仕事でしたが、IHはフラットなガラス面のためサッと拭くだけでいいのです。
火力も上がります。「電気は火力が弱いのではないか」という声を聞きますが、それは一昔前にマンションなどに入っていた電熱線コイルのイメージによるもので、家庭用のクックトップ(コンロ)なら、ガスよりIHのほうがお湯が沸くのは早いのです。
しかも前述したように、裸の火を使わないから安全です。たとえば「揚げ物をするとき、油がパチパチ跳ねて嫌だわ」と思ったら、キッチンペーパーを鍋の上に被せたまま揚げることができます。裸の火では考えられない行為です。IHは電磁波調理ですから、熱くなるのは油だけ。鍋や周辺も熱くなりますが、それは油の温度が伝わっているだけです。
昔、台所で火を使っていた方が、着ていた化繊の洋服に引火してしまい、亡くなるという事件がありました。IHならこのようなこともなく、高齢者には安心です。
鍋をかけっぱなしにしてしまっても、IHは上がりすぎた温度を感知して自動的に火が消えるようになっています。ただ、最近のものならガスコンロでも同じ機能がついています。