※本稿は、西岡壱誠『東大ドリル“なぞなぞ”&“身近なテーマ”で楽しみながら「自分で考える力」を鍛える』(ワニブックス)の第3章を再編集したものです。
「客観的思考力」を身につける
誰かに何かを説明したり、プレゼンしたりするときに、相手の理解できるものから入って組み立てていく。これによって客観的に物事を考えられるようになります。これが「客観的思考力」です。「他者視点」と言い換えてもいいかもしれませんね。「どれくらい他人の目線に立って物事を考えられるか」という能力です。
たとえば、以下のような問題を、どう説明すればいいでしょうか。
あなたはおばあちゃんに、「インターネットの便利さ」を具体的に説明しなければなりません。でも、そのおばあちゃんは「パソコン」「マウス」「ホームページ」などのカタカナ語が全くわかりません。
「インターネットの便利さ」を、カタカナを使わないでおばあちゃんに具体的に説明しなさい。
カタカナ語が全くわからないおばあちゃんに、「インターネット」のことを伝える……。これってすごく難しいですよね。例えば、「メール」とかも使えませんから、「人と連絡が取れる便利な機能がある」と説明しても、「それは手紙じゃダメなのかい?」と言われてしまいそうです。「そうじゃなくて、すぐに連絡が取れるんだよ!」と言っても「電話でも同じことできるんじゃないのかい?」と言われてしまうかもしれません。カタカナを使わないだけで、相当説明の幅が狭まってしまいます。
こんなときにこそ求められるのが、「客観的思考力」。おばあちゃん目線に立って話せばいいのです。
STEP1 相手が理解できるものを列挙する
おばあちゃんはカタカナ語がわからないそうですが、逆におばあちゃんにわかるものってなんでしょうか?
カタカナじゃないにしても、確実にSNSはわからないですよね。スマホも使っていないでしょうし、グーグル先生に頼ったこともないはずです。
でも、おばあちゃんが「経験していること」ならわかるはずです。「相手が経験していること」というのは理解してもらえる場合が多いです。
そう考えると、さっきの話で登場した「電話」や「手紙」は使ったことがあるはずですね。また、普段おばあちゃんがやっていそうな「買い物」や「食事」も理解してくれると思います。娯楽であれば、「読書」や「旅行」、「散歩」はわかってくれるはずです。