サイバーエージェントの営業利益率が下がり続けている。売り上げは好調だが、利益がついてこないのだ。原因は動画サービス「Abema(アベマ)TV」の巨額赤字だ。公認会計士の川口宏之氏は「サイバーの真の狙いは財務諸表に隠されている」という――。

収益力に陰り

創業20年を迎えたサイバーエージェント(以下、サイバー)に異変が起こっている。株価が昨年7月をピークに下落傾向にあるのだ。7月18日の終値は6800円。そこから2月7日には3135円まで下がった。3月28日の終値は4580円で、この2カ月弱でかなり戻しているが、依然としてピーク時の約7割にとどまっている。

この3年、売上高は右肩上がりで伸びている(図表1参照)。しかもM&Aではなく、自前の事業で売り上げを伸ばしているため、見せかけだけの成長力ではない。ところが営業利益は2017年9月期から減少に転じている。これは直近の2018年10~12月期四半期決算でも同じで、前年同期比で減少している。

図表=サイバーエージェントの有価証券報告書を基に川口氏作成

収益力を表す営業利益率も2016年9月期には11.8%あったが、2018年9月期には7.2%まで下がってしまった(図表2参照)。直近の四半期決算では4.8%まで下がった。

(図表=サイバーエージェントの有価証券報告書を基に川口氏作成)
図表=サイバーエージェントの有価証券報告書を基に川口氏作成

このような収益力の陰りが、株価下落の一因になっているのだろう。