5年連続で「視聴率三冠王」を獲得した日本テレビ。一方、民放5社中4位が定位置になっているフジテレビ。将来性があるのはどちらだろうか。公認会計士の川口宏之氏は「有望なのはフジテレビだ。テレビ業界では日テレの圧勝だが、会社経営と番組作りは違う」という――。

「首位」の日テレと「ブービー」のフジ

いま民放で高視聴率をたたき出しているのは、日本テレビ(以下、日テレ)だ。

2019年3月期も、日テレはゴールデン帯、プライム帯、全日帯の視聴率で5年連続で首位の「三冠王」となった。フジテレビは2004~2010年まで7年連続で視聴率三冠王だったが、いまは見る影もなく、民法キー局5社の中で第4位が定位置になっている(図表1)。

両社には、なぜここまで差がついたのか。

現在の“視聴率王者”日本テレビを傘下に持つ日本テレビホールディングス(以下、日テレHD)と、かつての“視聴率王者”フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングス(以下、フジHD)の決算数値を比較し、新旧交代の要因と両社の将来性について分析してみたい。