大阪ダブル・クロス選挙で、自民・公明などの「反維新」勢力が知事候補として白羽の矢を立てたのが、橋下府政の立役者だった小西禎一元副知事だ。しかし橋下徹氏によれば「スーパー公務員」だった小西氏にも調整不能だった案件は多いという。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(3月26日配信)から抜粋記事をお届けします――。
大阪府知事選挙が告示され、街頭演説後に「頑張ろう」を三唱する小西禎一候補(中央)、応援に駆け付けた自民党の二階俊博幹事長(同左)ら=2019年3月21日、大阪市北区(写真=時事通信フォト)

「スーパー公務員」小西副知事でもムリだった府市の調整

いよいよ大阪ダブル・クロス選挙が始まった。大阪維新の会は、前大阪府知事松井一郎さんが、大阪市長候補に。前大阪市長吉村洋文さんが大阪府知事候補に。

対する相手陣営は、元大阪府副知事の小西禎一さんが大阪府知事候補に。元大阪市議会議員柳本顕さんが大阪市長候補に。小西さんと柳本さんは自民党と公明党の正式な支援を受け、さらに国民民主党、立憲民主党、共産党は自主的に小西さんと柳本さんを支援するという。ここはちょっと分かりにくいけど、要するに自民党から共産党までが表で完全にタッグを組むと映りが悪いから、表では自民党と公明党の支援だけにしておいて、その他の政党は維新を潰すために自主的に、つまり水面下で小西さんと柳本さんを一生懸命応援するというもの。自民党を支援する各種業界団体や、国民民主党と立憲民主党の前身である旧民主党を支援していた労働組合の連合や部落解放同盟、さらには共産党を支援する各種団体が一斉に小西さん柳本さんを応援することになった。

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小西候補は大阪府副知事としてスーパー公務員であったことは前号で述べた。しかしその小西さんですら、大阪市役所と協議でまとめることができなかったものが多々ある。

行政の実務というのは日々膨大な事務作業の連続だ。巨大な府庁組織と市役所では毎日毎日膨大な事務を行っており、その都度、府庁と市役所で見解がぶつかることが多い。それを主査→課長代理→課長→次長→部局長とそれぞれの役職で調整をはかるのだが、それでもまとめることができなかったものは副知事、副市長に上がってくる。そのときの組織としての最後の調整役が副知事、副市長であり、その仕事を小西さんがやっていた。

小西さんも一生懸命にやってくれていた。難しい案件もまとめてくれたこともある。しかし、今の府と市の体制、制度を前提とする限り、やはりまとまらなかったものも多々ある。これは小西さんの能力の問題というよりも、府と市の制度の問題だ。何度も繰り返すが、明治維新の時にできた府と市の制度は、府と市の分断を前提としており、府と市が一体となって政策や事業を行うには適していない仕組みとなっている。だからスーパー公務員の小西さんが、対立する府と市の見解をまとめることができなくても、むしろ当然のことなんだ。

そのようなときには最後、僕(大阪市長)と松井知事でまとめ上げた。ほぼ毎日、松井さんとは電話で協議していた。

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