プレジデントオンラインは全上場企業の「平均年収ランキング(2018年版)」を作成した。このうち金融業界175社のデータを集計したところ、マーキュリアインベストメントが平均年収1823万円で1位となった。2位には野村ホールディングス(HD)、3位に東京海上HDが続く。ランキングの詳細をお伝えする――。

1位は平均年収1822.9万円のマーキュリア

プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2018年版)」を作成した。もとにしたデータは2018年6月末時点の有価証券報告書。データ抽出では企業価値検索サービスの「Ullet(ユーレット)」の協力を得た。

このうち「銀行業」「証券業」「保険業」「その他金融業」に分類される175社のデータを集計したところ、1位は投資ファンドの組成・運用を手がけるマーキュリアインベストメントで、平均年収は1822.9万円だった。

マーキュリアの設立は2005年で、株式上場は2016年10月である。利益の拡大にともない、平均給与は前年度の1104万円から700万円を超える増額となった。2018年度も業績は増益傾向で推移しており、給与水準は17年度を上回る可能性が高いといっていいだろう。同社の大株主は日本政策投資銀行。民営化の方向だが、現在は国が100%出資する組織。2017年度平均年収は、マーキュリアを下回る1049万円(平均年齢38.3歳)である。

※初出時、「1位は日本政策投資銀行の100%子会社」との見出しがありましたが、マーキュリアインベストメントに対する日本政策投資銀行の出資比率は24.37%(2017年12月31日現在)です。訂正します。(12月19日12時50分追記)

大手金融グループの給与水準は高く、安定的

2位から4位は、それぞれのグループを統括する持株会社が続く。2位は野村ホールディングス(HD)で平均年収は1455.2万円。3位は東京海上HDで平均年収は1390.1万円。4位は三井住友トラストHDで1378.6万円となった。

4位以下については、ランキング上位常連の証券や保険、それに三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)などの大銀行に加え、再編・統合で誕生している地方銀行が目立つ。九州FGなど4社が1000万円超である。

大手金融グループの給与水準は高く、安定的といっていいのだろう。野村HDは1400万円台から1500万円台で例年推移しており、東京海上HDは1300万円台が多い。三井住友トラストHDは、取締役を兼務していない執行役を従業員としてカウントしており、その人数が増えると平均額がアップするようだ。