プレジデントオンラインは全上場企業の「平均年収ランキング(2018年版)」を作成した。このうち「電気・精密機器」に分類される304社のデータを集計したところ、センサーや計測機器のキーエンスが平均年収2088万円で1位となった。2位は産業用ロボットのファナックで1347万円だった。ランキングの詳細をお伝えする――。

1位のキーエンスは前年比226万円の年収アップ

プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2018年版)」を作成した。もとにしたデータは2018年6月末時点の有価証券報告書。データ抽出では企業価値検索サービスの「Ullet(ユーレット)」の協力を得た。

このうち「電気・精密機器」に分類される304社のデータを集計したところ、1位はセンサーや計測機器を手がけるキーエンスで、平均年収は2088.5万円だった。同社は、開発・営業部門が一体となった企画開発型企業。最大の特徴は工場を持たない「ファブレス企業」である点だ。給与の高さは有名だが、2018年度は好業績もあってPLに計上した給料手当賞与は、2017年度比65%増。これをうけて平均年収は前年に比べて226.7万円の上昇となった。

2位は産業用ロボットのファナック。工作機械の頭脳であるNC(数値制御装置)でも世界トップシェアをもつ。平均年収は1347.4万円だった。同社は国内の自社工場で全製品を製造しており、キーエンスとは対照的だ。無借金であることから利息の支払いはなく、財務活動によって社外に出るキャッシュは配当金と自社株購入のための費用のみ。財務体質はトヨタ自動車を上回るほど強靭である。

3位は電池大手のジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)。車載用鉛電池やリチウムイオン電池などを手がける電池世界大手だ。平均年収は1129.2万円。この数値からは、大手電機各社の年収水準が推定できる。

GSユアサは持株会社であるため、従業員は18人しかいない。そしてここ3期の年収は1000万円超で推移している。つまり、大手電機の場合、製造現場などを除いた管理部門従事者の年収は“40歳代・1000万円超”が基準だと見ることができる。