東芝の平均年収が100万円も上がった背景

4位は半導体製造装置で世界大手の東京エレクトロン。平均年収は1076.8万円だった。同社は東京放送ホールディングス(TBS)の店子であり、株式を相互保有することでも知られる。

電機業界は業績の浮沈が激しいだけに、平均給与額だけでなく従業員数の推移などを含めてランキングを見る必要がある。

たとえば、東芝は2017年度比で100万円を超す増額だが、平均額算出対象の従業員は前年度比で約9割減(2万8891人の減少)である。従業員が大幅に減ったことで、平均額がアップしたと見るのが妥当だろう。

1000万円の大台に乗ったソニーも東芝と同じように従業員数は大幅減だが、同社の給与水準は以前から業界トップクラス。経営陣の年俸も大幅な増額になっているように、業績回復による従業員の年収アップも当然の流れだ。

そして三菱電機とパナの平均年収が下がったワケ

半導体を手がけるルネサスエレクトロニクスは、子会社吸収で従業員数が2600人以上増加しているが、好業績にともない平均年収も大幅アップ。研究開発費の増加も反映したようだ。一般的に、研究開発費における人件費の比率は高い。

約22万円増の日立製作所、それに平均金額がやや減額になっている三菱電機とパナソニックも、実際は増額での推移と推定される。平均額ダウンの要因は従業員増。16年度比で、三菱電機は600人弱、パナソニックは約3900人増加である。

とくに、三菱電機の場合は、順調な業績もあって20人を超す執行役全員が1億円プレーヤーという状況が続いている。従業員の給与や賞与にも好業績が反映されていることは明らかだろう。