家庭や家計のことで悩んだときに、どんな解決策をとればいいのか。評論家の本田健氏とファイナンシャルプランナーの深野康彦氏。2人の達人に、5つの「場面別」でアドバイスを求めた。第5回は「別居の老親に親孝行できない」について――。(全5回)

※本稿は、「プレジデント」(2017年3月20日号)の掲載記事を再編集したものです。

【QUESTION】別居の老親に親孝行できない

本田の答え:18歳で親子関係は終わり。以降は「友人」だと思いましょう

1年に1回でも会えたらいい

毎週会いにいけないから親不孝かといったら、そういうものではありません。電話やメールもあるわけですし、「会わないといけない」という固定観念に縛られるのは不幸だと思います。

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親子の関係は18歳ぐらいで切れるもの、そう思ったほうがお互いに健康的です。子供には育ててもらった恩があるけれど、親にも子供を育てる喜びがあったと思います。18歳以降は、お互いに独立した大人として、かつては一緒に時間を過ごした友人として、つながりを持ってみてはいかがでしょうか。

そこにあるのは友情ですから、もし、どちらか一方が近づきたいと思ったとしても、相手が嫌がったら成立しません。親子だからこうしなくちゃ、と考えるのは、「ご近所だから一緒にご飯を食べよう」というのと同じぐらい、一方的な捉え方ともいえます。

必要なのは友人としての礼儀だけです。その意味では、1年に1回でも会えたらいいと思います。それは1年に2回でも、3回でもいいでしょう。

親にも子にも、それぞれの人生と生活があるわけですから、「こうしなきゃいけない」と思うと、自分が不幸になってしまいます。親から「見舞いにきてほしい」「腰が痛い、肩が痛い」と連絡があっても「また言ってるな」と聞き流してもいいでしょう。なにを言われたとしても、自分の責任だと思わないことです。それが適度な友人関係、適度な距離だと思います。

「友人としての礼儀が果たせれば、OKです」