家庭や家計のことで悩んだときに、どんな解決策をとればいいのか。評論家の本田健氏とファイナンシャルプランナーの深野康彦氏。2人の達人に、5つの「場面別」でアドバイスを求めた。第3回は「妻と不和が続く」について――。(全5回)
※本稿は、「プレジデント」(2017年3月20日号)の掲載記事を再編集したものです。
【QUESTION】妻と不和が続く
本田の答え:そもそも夫婦は、考えが合わないものである
別れるかどうかは、「情」が決め手
「これからの20年、30年を、一緒に過ごしていきたいと思うかどうか」。真剣に考えてみて、「それは違う」と思ったら、別れるタイミングかもしれません。
最終的な決め手になるのは「情」だと思います。「情」とは、この人が大事だな、愛おしいなという気持ち。「ケンカはするけれど、ガンになったときは助けてあげたい」と思えるなら、まだ情が残っているということでしょう。
読者の方々は、結婚して十数年経っている方が多いと思います。これまで一緒に暮らしてきた十数年という年月は、それだけで大変な財産です。もし、奥さんに少しでも情が残っているならば、関係を続ける価値はあると思います。
そうはいってもボタンはかけ違っているので、関係を修復するには時間がかかります。ですが、もともと性格や価値観が一致する人は、世界中どこを探しても見つかりません。
たとえば中国でも、「私はキャンプが好きで、週末は自然の中にいたいのですが、旦那はキャンプが嫌いです。別れたほうがいいですか」という相談を受けました。でも価値観が違うからこそ、人はお互いに惹かれ合うものなのです。私の家では、私が旅行に行きたいタイプですが、妻は家にいたいタイプです。でも、だからといって、離婚しようとはなりません。一緒にいるコツは、「ここは譲れる・譲れない」というラインをきちんと明確にし、それをお互いで共有することです。