恋愛、結婚、離婚、再婚、婚活、浮気、不倫……。世は変われども、男と女のいさかいが尽きることはありません。行政書士で男女問題研究家の露木幸彦氏のもとには、日々、そんな泥沼状態から抜け出さんと多くの相談者がやってくる。その痛切なトラブルエピソードをシェアし、ぜひ他山の石、もしくは人の振りみてわが振り直していただきたい。
第1回目(前編・後編)のテーマは、「一線を越える」行為に対する男女の意識差。ちょっと背筋が寒くなる話です。
婚活で出会った相手が豹変して「地獄の沙汰」
夏本番です。
まぶしい太陽に目を細めると、嫌でも男性の目に飛び込んでくるもの。それは、ノースリーブ、キャミソール、ミニスカートといった夏の装いの女性たち、という男性もいるでしょう。より魅力的に映る女性たちに引き寄せられるのは男性としてある意味健全であり自然なことかもしれません。
しかし、ちょっと待ってください。この時期、男女問題研究家で行政書士の私にさまざまな相談が寄せられるのですが、とりわけ男性の“立ち居振る舞い”が悲劇を招く案件が急増するのです。
危険な落とし穴はいたるところにあります。屋上のビアガーデン、河辺のバーベキュー、そして海辺の海の家……。今までは女性に声をかけて親密な関係を築くことも少なくなかったでしょう。しかし、近年は「一夜限りの関係」のリスクが急上昇しています。
ある夏、偶然出会った2人。会話を交わし深い関係になる。何の問題もないように見えても、日にちがたち冷静になって振り返ってみると、その出来事の意味は男性と女性とでは正反対ということはしばしば起きます。今回は、そんな一度限りの関わりをきっかけに始まった女性との交際を「悔いても悔い切れない」という相談者、都内在住のメーカー社員(営業)、伊藤竣太さん(仮名・34歳)のケースを紹介しましょう。
▼婚活パーティーで32歳・商社の派遣社員と意気投合
竣太さんは婚活パーティーで意気投合した彼女(32歳・商社の派遣社員)とハロウィーン・ディズニー、海岸ドライブ、そして夜景ディナーと3回のデートを重ね、順調に愛を育んでいるように思えたのです。
竣太さんは、シャイな性格で気持ちを表に出すのが苦手なタイプ。そのため、自分から「好きです。付き合おう」とアプローチし、それに対して彼女が「はい」とレスポンスする場面はなかったそうです。とはいえ、そもそも2人が知り合ったのは婚活パーティーで、交際前提の男女が集まってくるイベントなのだから、少なくとも竣太さんは「男女の仲」だと思い込んでいたそうです。