高市政権が高支持率をキープしている。政治ジャーナリストの清水克彦さんは「国民からの人気は高い一方で、自民党内での求心力は低下しつつある。その原因は、『チーム高市』の顔ぶれが決まり切っていることだ」という――。
外交政策について演説する高市早苗首相(=2026年5月2日、ベトナム・ハノイ)
写真=AFP/時事通信フォト
外交政策について演説する高市早苗首相(=2026年5月2日、ベトナム・ハノイ)

外交も内政も「見せ方」がうまい

「地域全体で共に強く豊かになるという共通目標に向け、具体的な協力の推進について一致することができた」

5月4日、オーストラリアの首都、キャンベラで記者団に答えた高市早苗首相は、このように成果を口にした。

ベトナム、オーストリア訪問で、医療物資やLNG(液化天然ガス)、それに重要鉱物の安定供給など具体的な協力関係が進んだことは前進と言っていい。

政権発足後、半年が過ぎても、高市内閣への支持率は、おおむね60%前後と高水準で、今回の2カ国歴訪に加えて、茂木敏充外相をアフリカ、小泉進次郎防衛相を東南アジアに派遣し、それぞれ重要鉱物の安定供給や防衛協力で進展を見せた点も、内閣の高支持率維持にはひと役買うと見ている。

筆者も以下の点は評価している。

① 外交も内政も「頑張っている」という見せ方がうまい

② 良し悪しはさておき、国家情報会議設置法を今国会で成立させ、何としてでも防衛三文書を年内に改定するといった肝いりの政策への執念が感じられる

③ イラン情勢に伴う石油危機に関しても、不安を引き起こさないよう中東以外の国から調達するという姿勢が見える

④ 「党に根回しをしない」等の批判はあるものの、自民党の慣習や旧来の政策立案システムにおもねることなく、「やりたいことをやる」という威勢の良さは健在

「会食嫌い」を覆すサプライズ登場

今年1月、何の相談もなく衆議院解散に踏み切られ、そして選挙で圧勝後は、「一丁上がり」の名誉職である衆議院議長にまつり上げられそうになった自民党の麻生太郎副総裁ですら、周辺に「まあ、よくやっているじゃないか」(麻生派衆議院議員)と漏らしているほどだ。

4月10日、高市氏が麻生氏や鈴木俊一幹事長らを首相官邸に招き昼食を共にした際には、麻生氏が、振る舞われた「焼き魚定食」に手をつけなかったとの報道も流れたが、筆者の取材では、残さず食べており、両者の亀裂は、少なくとも「子どもの喧嘩」のような事態には至っていない。

それどころか、後で述べるが、高市氏を支え、その政策を推進するために、中心となって議員グループを立ち上げるというから、老獪な政治家の胸の内は、さしずめ「和戦両様」といったところだろうか。

そうした中、高市氏自身も4月21日、今年度予算の成立に尽力した衆議院予算委員会の理事らを招き、慰労会を催したほか、その2日後には、自民党新人議員の集まり「鹿鳴会」にもサプライズ登場して、「会食嫌い」や「孤高」のイメージの払拭にも努めている。

とはいえ、その足元は、各メディアが報じている以上に危うい。